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1076 映画「湾生回家」

 岩波ホールで台湾映画「湾生回家」(黄銘正監督)を観てきました。 
 「湾生」とは戦前の台湾で生まれ育った約20万人の日本人を指す言葉です。ほとんどが敗戦後、日本本土に強制送還されました。映画は6名の方の物語を中心にまとめあげたドキュメンタリーです。
 映画を観るきっかけになったのは、ノンフィクション作家・平埜久美子さんのお名前が、新聞広告に載っていたことです。今年6月には平埜さんらを案内して、3泊4日の松江・雲南旅行をしました。目的は「ロングステイ」の可能性探索でした。 
 健康は失ってからありがたみを感じます。「故郷」を失った人たちの望郷の心情には想像を絶するものがあります。友人や水牛、生まれた病院などを探しあて、涙を流す場面は感動がありました。 
 登場する湾生のなかには、定期的に台湾でロングステイをしている方もいます。映画のなかでロングステイという言葉を聞いたのも嬉しいことでした。 
  11.16  
 下記は平埜さんからのメールです。    
 三島様
こんばんは
「湾生回家」なかなか評判がよいようでほっとしております。
私は登場人物や配給会社の社長さんなどとお知り合いですから、いろいろ新聞広告も含め手伝いました。
この映画は、「故郷」とは何か?という命題のもと、戦前台湾で生まれた人々のアイデンティティーのゆらぎを描いています。歴史に翻弄されたとはいえ、湾生はまだ幸せですね。。南北朝鮮や満州で生まれ育った日本人が、ふるさとを再び自分のものにできているでしょうか? 幼馴染を探す旅が自由にできるでしょうか?
やはり日本と台湾はとても特別な関係だと思います。
台湾にロングステイする年配者は、家倉さんみたいな方が多いです。
さて、来週はロングステイエッセイ大賞の授賞式がございます。今年の受賞者は16歳から85歳までになっております。
寒くなってきました。日々、ご自愛ください
平埜久美子